真空での水の冷却実験 その3(完成?)
3/1は卒業式でした
現任校で2回目の卒業生を出しました。
本当にいろいろありました。40人が一人も欠けることなく卒業できたことは非常に感慨深いものがありました(現任校は辞めてしまう生徒が珍しくない学校なのです)。
みんな、卒業おめでとう。そして、ありがとう。
さて、話は戻って本題の真空での水の冷却実験。
ここまでの実験を元に、温度が下がりきらない原因は実験室の輻射熱が原因と考え、中古の冷蔵ショーケースを10800円で買ってきました。(車を往復200kmくらい走らせたかな)
実験の意図
この実験の意図は、ビーカー内の水分子をどんどん遅いものばかりにして(蒸発冷却)、最終的には凍らせることを目的としています。
真空にする理由は、ご存知の方はおわかりと思いますが、速度の速い水分子を液体中から飛び出しやすくさせるためです。
また、容器内にシリカゲルを敷き詰めた理由は飛び出た水分子がまた液体に戻ることを防ぐためです。
いかがでしょう?
「十分に真空状態にしたあと、シリカゲルのみで蒸発冷却を行って凍らせる」というこの実験方法、なかなかクレバーだと思いません??( ← 誰も褒めないので、自分で自分を褒める(笑
それでは実験スタート!
① 実験前、水の温度は16.2℃
② まずは、普通に真空引きを行います。
③ 8分後、十分に真空引きができたと判断し、真空ポンプから容器を外して冷蔵ショーケースに。
④ 25分後、冷蔵庫内の温度(約5℃)より水の温度が下がる。
⑤ 45分後、うっすら氷が張り始める!
⑥ 50分後、氷が厚くなり始める。氷の下に水蒸気が溜まっている。
⑦ 55分後、溜まった水蒸気が表面の氷を押し上げ出す
以上、300mlの大量の水を使って
1.空気をなくすことによって水が沸騰する(速い水分子が外へどんどん飛び出す)
2.蒸発冷却によって凍る(速い分子がどんどん出ていって、遅い分子だけになった)
の様子を1時間程度で見せられる実験(←ココ重要)が出来上がりました。
ただ私の勤務校の場合、授業は1コマ50分なので、もっと熱容量の小さい透明の容器を使うなどして45分くらいで氷の板が持ち上がるところを見せられるように更に工夫したいと思います。
さ、実験はほぼ完成なので、あとはどう授業展開をするか、ですね。
※ちなみに3時間放置したら、厚さ2cmの氷になりましたよ。