真空での水の冷却実験 その1
最近、真空での水の冷却実験を再び試みています。
この時期は部活動の大会も少ないのでこういう試みができます。一昨年のこの時期にも同じ実験を試みていたのですが、うまく行かず、結局そのまま忙しい4月を迎えて今に至ります。
さて、この試みの目標は
「真空状態にすることによって、水を凍らせる」です。
それでは実験。まずは300mlビーカーに水を150ml投入して真空を引きます。
10分後
一昨年に実験したとき同様、このあたりから温度低下が緩やかになり、8℃程度までしか下がりません。
一応、実験動画です。02:30あたりからの沸騰している様子は見事ですね。
では、なぜ上の実験は8℃よりも下がらないのか。
水の量を変えた対照実験の結果を見て考えてみましょう。真空状態でいずれも1時間以上放置しました。
パターン1:水多め
パターン2:水少なめ
もう少しで凍りそうです。惜しいですね。
水を極端に少なくすると終端温度もかなり下がることがわかりました。さて、ここからわかることは、蒸発する面積はほとんど変わらないので
「水はどこからか熱をもらっている」
ということであり、
「その熱の供給速度は水の体積に依存する」
ということです。
このような記事を目を通す方ならすでにピンと来ているかもしれませんが、この場合、熱浴とはもちろん実験室そのもので、十中八九、実験室の輻射熱で間違いないと思います。これは未確認なので、後ほど確かめてみたいと思います(こうやって思考が整理されて、次の実験を思いつくのが文章にして発信することのメリットですね)。
しかしながら、まだまだ「真空状態で凍る」という状態にはまだ遠い。
最終的な目的は当然授業で使うこと。生徒に実験を感動的に見せる、という観点で考えれば、規模が小さいよりも、ちょっと遠くの席からでも冷えて凍る様子を確認できるようにしたい。
さあ、ここからが長そうだ。